α化米粉ペーストの添加溶液の違いによる特性比較と非加熱食品への応用

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タイトル別名
  • Comparison of characteristics of gelatinized rice flour paste with different additive solutions and application to non-heated foods

抄録

<p>【目的】α化米粉には,炊飯後に乾燥させて粉砕したもの(炊飯米粉)と生米を加熱しながらせん断粉砕したもの(せん断米粉)がある。これらは,α化した状態の米粉であるため,水を加えた状態で喫食可能なペーストを作成することができる。本研究では,この2種類の米粉ペーストの物性特性を明らかにするとともに,アイスクリームへの利用の可能性を検討することを目的とした。</p><p>【方法】実験1米粉ペーストの特性比較:炊飯米粉とせん断米粉を試料とし米粉濃度が10%になるように溶液1~5をそれぞれ添加しペーストを作成した。1.水・油混合溶液(10:0~5:5,4種),2.5,10%グラニュー糖溶液,3.0.1~2.0%酢酸溶液,4.牛乳,5.豆乳。その後,粘度,テクスチャー,分離率,色差を測定した。実験2アイスクリームの作成:豆乳,豆乳に対して5又は10%試料,グラニュー糖,米油を加えて撹拌した後,冷凍庫に入れ2,4hrに攪拌し,24hr冷凍保存した。市販品を対照とし,テクスチャーを比較した。</p><p>【結果】実験1:炊飯米粉の水10:油0ペーストは,せん断米粉に比べて有意に粘度,かたさが高かった。一方,5:5ではせん断米粉のみペースト状になった。グラニュー糖溶液,牛乳,豆乳では,いずれも10:0ペーストに比べて粘度が有意に高かった。特に,両α化米粉とも牛乳や豆乳で水分分離のない安定性の高いペーストとなった。実験2:いずれのα化米粉においても対照に比べかたさ,付着性が有意に高かった。また,10%炊飯米粉はせん断米粉に比べ付着性,粘度が有意に高く,ねっとりした食感になった。以上より,グラニュー糖はα化米粉ペーストの粘性を高め,豆乳は安定性を高めるため,これらを活用すればα化米粉アイスクリームが作成できることが示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390297427372407424
  • DOI
    10.11402/ajscs.34.0_154
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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