棚田・段畑跡地のフクジュソウ生育地の植生及びその開花景観を用いた 地域活性化活動に関する研究

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タイトル別名
  • Study on the vegetation of the habitat for Adonis ramosa and community revitalization activities using the flower landscape in a former rice terrace and terraced field

抄録

福島県喜多方市沼の平地区を事例に、棚田の変遷、フクジュソウの分布及び棚田・段畑跡地での生育地の植生、当地区での活動経緯や動機を明らかにし、在来野草類を用いたフラワーツーリズムと地域活性化活動の関りを考察した。フクジュソウの分布には偏りがあり、非分布地や少数の分布地は管理放棄による樹林地化や強度の圃場整備等が要因と考えられたが、要因不明の場所も認められた。春季・盛夏季の植生調査の結果、フクジュソウの主な分布地である棚田・段畑跡地は草原性種を主体とする半自然草地であることが示された。そこは、住民らによる年二回の草刈りで半自然草地の状態が維持され、フクジュソウの生育地が保全されていた。活動としては、フクジュソウの開花 景観を地域資源化することで交流人口を確保し、地域への誇りを伴う地域活力を得るとともに、来訪者からの協力金を地区の様々な活動費に充て、生育地の維持・保全も含めて地区景観の保全を図る構図が認められた。自然の素材であるフクジュソウを取り込み、棚田域の良質なランドスケープと合わせて新たな空間的価値を創出する活動と言えるが、そこには地域活力維持への希求が原動力として作用していることが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390297427377029120
  • DOI
    10.57493/tanada.24.0_9
  • ISSN
    27584364
    24361674
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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