肺原発孤立性形質細胞腫の1例

  • 後藤 まどか
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器外科
  • 市川 靖久
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器外科
  • 坪内 秀樹
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器外科
  • 川角 佑太
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器外科
  • 内山 美佳
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器外科
  • 森 正一
    日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of primary pulmonary plasmacytoma

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抄録

<p>形質細胞腫には種々の病型があり,その多くは多発性骨髄腫である.多発性骨髄腫は骨髄での形質細胞増殖と全身の臓器障害を特徴とし,骨髄外に腫瘍を形成することもある.骨髄に形質細胞増殖を認めず,髄外に孤立性増殖を認める疾患が孤立性形質細胞腫である.肺原発は稀で,非特異的な所見を呈し他疾患との鑑別が困難である.症例は72歳,女性.肝細胞癌の経過観察中に右上葉に腫瘤を指摘され,X年に右上葉部分切除術を施行し,病理所見で形質細胞の増殖を認めた.骨髄検査で形質細胞増殖を認めず,血清M蛋白や尿蛋白・Bence-Jones蛋白も検出されなかったため,肺孤立性形質細胞腫と診断した.肺形質細胞腫を認めた場合,多発性骨髄腫の髄外病変である可能性があるため,それを除外する必要がある.孤立性形質細胞腫では30%程度で多発性骨髄腫への進展が見られ,血清蛋白を含む生化学検査による経過観察が必要である.</p>

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参考文献 (18)*注記

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