粘液栓の除去のみで軽快した<i>Scedosporium apiospermum</i>によるアレルギー性気管支肺真菌症が疑われた1例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF SUSPECTED ALLERGIC BRONCHOPULMONARY MYCOSIS CAUSED BY <i>SCEDOSPORIUM APIOSPERMUM </i>THAT SHOWED CLINICAL IMPROVEMENT AFTER BRONCHOSCOPIC REMOVAL OF A MUCUS PLUG
  • 粘液栓の除去のみで軽快したScedosporium apiospermumによるアレルギー性気管支肺真菌症が疑われた1例
  • ネンエキセン ノ ジョキョ ノミ デ ケイカイ シタ Scedosporium apiospermum ニ ヨル アレルギーセイ キカンシ ハイ シンキンショウ ガ ウタガワレタ 1レイ

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抄録

<p>非アスペルギルスアレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)の原因真菌種に関するまとまったデータは少ない.今回Scedosporium apiospermumによるABPMが疑われた症例を経験した.症例は69歳女性.発熱と咳嗽があり,胸部CTで右中葉の無気肺を認めた.気管支鏡検査を行うと,右中葉支に粘液栓を認めた.吸引痰からScedosporium apiospermumを培養同定した.末梢血好酸球数上昇,および血清総IgE値上昇があり,2019年に本邦の研究班によって提唱された新ABPM臨床診断基準を満たした.内視鏡的に粘液栓を完全に除去した後は,臨床症状は改善し,以後の再燃はない.Scedosporium apiospermumによってABPMを発症する可能性があること,粘液栓の除去のみで軽快する症例があることが示された.これまで報告のない真菌種がABPMの原因となる可能性がある.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 72 (8), 1051-1056, 2023

    一般社団法人 日本アレルギー学会

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