関東大震災100年 地震と台風の「同時・時間差襲来」にどう備えるか

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タイトル別名
  • A Hundred Years after the 1923 Great Kanto Earthquake How to Prepare for Disasters Caused by Combined Strikes of an Earthquake and a Typhoon, Both Simultaneous and Time-Lagged

抄録

1923年に発生した関東大震災では、首都・東京などで約10万5,000人の犠牲者が出た。犠牲者の9割が火災によるものとされるが、火災拡大の原因の1つは、震災発生当日に能登半島付近にあった台風による強風である。また、神奈川県で相次いだ土砂災害は、この台風により震災発生前日に降った雨が原因とされている。 本稿では、関東大震災が、地震と台風の同時襲来による複合災害だったことを、当時の気象台の資料から検証した。また情報の途絶による混乱を防ぐ観点から、メディアが果たすべき役割についても検討した。地震と台風が「同時」もしくは「時間差」で襲来することによる複合災害は2000年以降も複数あったことが指摘されている。東日本大震災以降、重要視されている「想定外をなくす」という見地から、メディアがこうした複合災害にどう向き合うべきかについて、災害の専門家による独自シミュレーションも交えながら検討した。複合災害が起こる可能性については、台風の被害が多い9月にも歴史的に大きな地震が起きていることなども適示し、台風が「同時」もしくは「時間差」で襲来した場合に被害がどう拡大するのかを吟味し、新たな対応策を検討しておく重要性など、どう備えるべきかについて論を進めた。大震災100年を機に、地球温暖化の影響や社会構造の変化なども踏まえながら、複合災害による被害をメディアとしてどう防いでいくのか、その役割と課題についても検討した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390297515209026944
  • DOI
    10.24634/bunken.73.9_2
  • ISSN
    24335622
    02880008
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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