感染性脊椎炎における針生検術の診断能についての検討―病理組織検査の重要性―

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タイトル別名
  • Fine-Needle Aspiration Biopsy for Spondylodiscitis Diagnosis: Usefulness of Histology in Common Practice

抄録

<p>はじめに:感染性脊椎炎の診断における針生検術は,原因菌の同定のために細菌培養検査に提出する.ただし,培養できないことも多く,病理組織検査にも提出することにより診断能が向上する可能性がある.本研究の目的は,感染性脊椎炎における針生検術の細菌培養検査,病理組織検査,また両検査を組み合わせた場合の診断能について比較検討することである.</p><p>対象と方法:感染性脊椎炎を疑い,針生検術を行った41例を後ろ向きに調査した.細菌培養検査,病理組織検査,両検査の組み合わせの感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率,正診率を算出した.</p><p>結果:細菌培養検査,病理組織検査,両検査の組み合わせの感度,特異度,陽性的中率,陰性的中率,正診率はそれぞれ,(58%,90%,95%,41%,66%)(p=0.008),(74%,100%,100%,56%,81%)(p<0.001),(90%,90%,97%,75%,90%)(p<0.001)であった.また,感染群において細菌培養検査で陰性であった症例13例のうち,病理組織検査で陽性であった症例は,10例(77%)であった.</p><p>結語:感染性脊椎炎における針生検術では,細菌培養検査だけでなく,病理組織検査も必ず行うことにより診断遅延の防止につながる.</p>

収録刊行物

  • Journal of Spine Research

    Journal of Spine Research 14 (9), 1213-1218, 2023-09-20

    一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390297515209282432
  • DOI
    10.34371/jspineres.2022-0056
  • ISSN
    24351563
    18847137
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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