子宮筋腫の表在血管破綻により出血性ショックに陥った1例

  • 栗正 誠也
    大阪公立大学医学部附属病院救命救急センター
  • 西村 哲郎
    大阪公立大学医学部附属病院救命救急センター
  • 溝端 康光
    大阪公立大学医学部附属病院救命救急センター

書誌事項

タイトル別名
  • Case of Hemorrhagic Shock Due to Superficial Vascular Disruption of Uterine Leiomyoma
  • シキュウ キンシュ ノ ヒョウザイケッカン ハタン ニ ヨリ シュッケツセイ ショック ニ オチイッタ 1レイ

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抄録

<p>子宮筋腫の表在血管が破綻し,出血性ショックをきたした1例を経験した。症例は3経妊0出産の40歳女性であり,既往に未精査の子宮筋腫がある。来院前日に月経が発来,下腹部痛が増悪したため救急要請した。当院搬入時に血圧75/50mmHg,心拍数110/分とショック状態であり,下腹部の強い自発痛を認めた。急速輸液で循環動態は安定した。腹部CT検査で血性を疑う大量の腹水を認め,子宮から連続する巨大な腫瘤性病変を認めた。搬入時ショック状態であったことから試験開腹術を行ったところ,新生児頭大の子宮筋腫を認めた。筋腫は有茎性で漿膜下に存在し,その表在血管が破綻し出血していたため,筋腫核出術を施行した。以後の経過は良好で,術後8日目に退院した。女性の腹腔内出血をきたした急性腹症の鑑別には,まれであるが子宮筋腫の表在血管の破綻を考慮する必要がある。</p>

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