めまいと難聴で発症した多血症を背景とする前下小脳動脈症候群の症例

  • 伏見 直樹
    国立国際医療研究センター病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 吉田 剛
    国立国際医療研究センター病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 田山 二朗
    国立国際医療研究センター病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Anterior Inferior Cerebellar Artery Syndrome Accompanied by Polycythemia Presenting Vertigo and Hearing Loss as Initial Symptoms
  • メマイ ト ナンチョウ デ ハッショウ シタ タケッショウ オ ハイケイ ト スル ゼン カ ショウノウ ドウミャク ショウコウグン ノ ショウレイ

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抄録

<p> 多血症は末梢血中の赤血球数, ヘモグロビン濃度, ヘマトクリット値が正常より高い状態を指し, 高率に血栓症を来す病態が含まれる. 今回, めまいと左難聴で発症後, 小脳梗塞 (左前下小脳動脈症候群) が判明し, 多血症が併存していた72歳男性の症例を経験した. 診断後も梗塞範囲は徐々に拡大し, 左顔面神経麻痺, 左顔面感覚異常, 体幹失調などが出現し, 難聴も増悪した. 3回の瀉血の後, リハビリ施設へ転院した. めまいを伴う急性感音難聴は内耳疾患だけでなく脳血管障害も原因になるため, MRA を含む頭部 MRI の撮影のほか, 血栓素因の確認が重要である. 特に多血症は血算が特徴的であり, 血液検査の際には留意しておく必要がある.</p>

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参考文献 (11)*注記

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