Vessel wall imagingに基づく頚動脈硬化症の治療

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タイトル別名
  • Management of Carotid Atherosclerosis Based on Vessel Wall Imaging

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抄録

<p>頚動脈狭窄症における脳梗塞発症リスクは,おもに血管造影による狭窄率や潰瘍形成など,内腔形態に基づいて評価されてきた.近年,超音波検査・CT・MRIなどを用いたvessel wall imaging(VWI)の進歩により,プラークの性状・体積・形態など,「壁の性質」が虚血イベント発症にきわめて大きな役割を果たすことが明らかとなっており,たとえば非狭窄性動脈硬化症の一部にも外科治療対象となり得る高リスク病変が存在する.</p><p>狭窄率から動脈壁性状への診断法の進歩とともに,高血圧をはじめとする動脈硬化リスクに対する管理や生活習慣の改善も含めた多面的内科治療の普及と治療成績の向上に伴い,外科治療に対する慎重な適応判断が求められる現状において,不安定プラークを有する軽度狭窄・非狭窄性病変に対する治療戦略や,無症候性病変の一部に存在する高リスク病変の診断法確立などが新たな課題となっている.</p><p>本総説では,VWIによる軽度狭窄や無症候性病変における高リスク病変の診断について,プラーク内出血・陽性リモデリング・放射線誘発性の動脈硬化を取り上げて解説する.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中の外科

    脳卒中の外科 51 (4), 279-285, 2023

    一般社団法人 日本脳卒中の外科学会

参考文献 (35)*注記

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