「新しい社会的養育ビジョン」における児童養護施設の方向性に関する検討――パネル調査で確認された入所児童の実態からの考察――

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Direction of Foster Homes Following the “New Vision for Alternative Care and the Role of Society in Child Well-Being”: Based on the Panel Research of Admitted Children
  • 「 アタラシイ シャカイテキ ヨウイク ビジョン 」 ニ オケル ジドウ ヨウゴ シセツ ノ ホウコウセイ ニ カンスル ケントウ : パネル チョウサ デ カクニン サレタ ニュウショ ジドウ ノ ジッタイ カラ ノ コウサツ

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説明

<p>本研究は,「新しい社会的養育ビジョン」に示される児童養護施設の機能強化および児童の入所期間の限定化の方向性を,入所児童の実態に基づいて検討することを目的とした.方法は,関東甲信越地域A県内全5児童養護施設全入所児童(第1回調査164人,第2回調査154人)を対象に,CBCL(子どもの行動チェックリスト)を用いて,概ね3年間のインターバルで縦断調査を行い,76人の情緒と行動の問題の変化と,ケアの規模・形態,児童の入所時年齢,入所期間,養育者(児童養護施設職員)の継続性との関連を分析した.結果,両調査間でCBCL総尺度得点に差はなく,情緒と行動に重篤な問題を抱える児童の6割に改善はみられず,児童の経年変化との関連は養育者の継続性のみ統計的に有意であった.児童養護施設の機能強化には養育者の継続性の確保が有効であり,また直ちに特別なケアが必要な児童の入所期間を限定化することは困難であることを考察した.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 64 (2), 14-26, 2023-08-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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