決算説明会テキストデータに含まれる主観的表現の抽出とその使用傾向の分析

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タイトル別名
  • Extraction of Opinions in Financial Results Briefing Text Data and Their Analysis

抄録

<p>決算説明会は,投資家をはじめとするステークホルダーとの主要なコミュニケーション手段の一つであり,開示される定量的な財務データを解釈する定性的な情報を含む.企業分析における定性情報の重要性は広く認識されているものの,決算説明会にどの程度の定性情報が含まれているのか,企業特性や業績が定性情報とどのような関連があるのかについては,未だ調査が行われていない.そこで本研究では,今後の普及が期待される大規模言語モデル ChatGPT を用いて,決算説明会のテキストを「ファクト」と「オピニオン」に分類し,その性能を評価した.さらに分類されたテキストを用い,量・割合と企業特性や業績がどの程度関連するのかを分析し,オピニオンを多く用いる企業の傾向を調査した.結果として,英語かつ few-shot のプロンプトと gpt-4 を用いた場合,大量のラベル付きデータを学習する先行研究を超える精度 (F-1 score 0.824) であること,平均して38%の表現がオピニオンに分類されることがわかった.企業特性や業績との関連分析では,利益率が小さい企業や時価総額が割高な企業ほどオピニオンの量・割合が多い傾向にあることがわかった.フォーマットのない決算説明会において,オピニオンの多寡など企業ごとに異なる特徴は投資家との合意形成の手段として重要な役割を果たしている可能性が示唆される.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390297758532411776
  • DOI
    10.11517/jsaisigtwo.2023.fin-031_68
  • ISSN
    24365556
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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