共同でのエピソード的未来思考:予備的検討

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タイトル別名
  • Joint Episodic Future Thinking: A Preliminary Study

抄録

友人と旅行計画を立てるときなど,他者と共に未来の事象を想像することがある。個人が将来経験し得る事象について具体的に想像する認知機能であるエピソード的未来思考(以下,未来思考)の研究は,これまで多数行われてきたが,共同での未来思考を扱った研究はなく,そこにどのような現象的特徴があるのかは明らかではない。そこで本研究では,未来思考を共同で行うか否か (単独/共同) と,想像する出来事の時間的距離 (1週間後/1年後) を操作し,自伝的インタビューという手法に基づく未来思考課題を行った。そして,思考内容の詳細さなどの主観評定を求めた。その結果,単独条件では1週間後条件より1年後条件で主観的な詳細さが低下したが,共同条件では1年後条件でも主観的詳細さの低下は認められなかった。このことから,共同で未来思考を行うと時間的距離が遠い出来事であってもその具体性が保たれ,鮮明なイメージが構築され得ることが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390297824977922560
  • DOI
    10.14875/cogpsy.2023.0_38
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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