エフォートによる損失割引効果を用いた交通場面の意思決定の検討

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タイトル別名
  • Examining driver decision-making through effort discounting of loss

抄録

エフォートによる損失割引の枠組みを利用して交通渋滞の場面における意思決定について調べた。事前登録をした上で2つの調査を行い、渋滞で待つ時間によって到着時間の遅れが主観的に割り引かれる程度がどのように変化するかをベイズ階層モデリングで調べた。調査1は大学生を対象に、調査2は運転免許を持つ人を対象に実施した。調査では、目的地への到着時間が遅れるとしても渋滞を回避するか、目的地への到着時間はそのままで渋滞に巻き込まれるかを選択する課題を利用した。その結果、どちらの調査でも、渋滞で待つ時間が増加しても到着時間の主観的な割引率の減少速度が一定であるという双曲割引モデルが支持された。この結果はエフォートによる損失割引の他の研究結果と一致する。渋滞で待つことの心的エフォートにより、到着時間の遅れという損失が割り引かれて、目的地への到着時間が遅れるとしても渋滞を回避する意思決定をする可能性を示唆した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390297824977967616
  • DOI
    10.14875/cogpsy.2023.0_28
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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