温室内の平均日射量の測定

  • 玉城 麿
    沖縄県農業研究センター農業システム開発班
  • 菅野 颯馬
    早稲田大学大学院創造理工学研究科建築学専攻 早稲田大学理工学術院総合研究所
  • 石井 雅久
    農研機構農村工学研究部門
  • 佐瀬 勘紀
    日本大学生物資源科学部生物環境工学科
  • 髙倉 直
    東京大学・長崎大学名誉教授

書誌事項

タイトル別名
  • Measuring Average Solar Radiation in a Greenhouse
  • オンシツ ナイ ノ ヘイキン ニッシャリョウ ノ ソクテイ

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抄録

温室内の平均日射量は,温室内植物の光合成量や生産量等を検討する上で重要な因子となる。しかし,温室内の日射には温室のフレームの影や入射角等が影響し,日射量は時間的にも,平面的にも変化するため,温室内の平均日射量を求めることは容易ではない。そこで,温室内の平均日射量を最小限のセンサーで正確かつ簡単に求める方法を開発した。実験の結果,温室内にフレームの影が現れないような曇天の日に,温室内の日射透過率を測定すると,日射量が時間的に変化しても日射透過率は一定であり,温室内の平均日射量を2台の日射計で求められることが明らかになった。温室内の平均日射量の測定方法を以下に記す。まず,日射計を屋外に1台,温室内の中央付近の任意の場所に1台設置する。曇天の日の温室内外の日射量を測定し,透過率を求める。年間を通じた日射透過率について検討する場合の測定は太陽高度を考慮して数か月間隔で行えばよい。この透過率を温室外の日射量に乗ずることで,常に温室内の平均日射量が求まる。反射を考慮する場合は,反射光は散乱光であるので,もう1台の日射計を温室内の中央付近下向きに設置して測定し,その値を減ずればよい。

収録刊行物

  • 農業施設

    農業施設 54 (2), 37-42, 2023

    農業施設学会

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