現代新聞語彙における副用語の“非基本語化” : 使用率減少と散布度増加の関係からみた量的類型

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タイトル別名
  • Quantitative Trends in the Withdrawal of Adverbial Words from the Basic Vocabulary of Modern Newspapers Relationships Between the Decrease in Relative Frequency and the Increase in Lexical Dispersion
  • ゲンダイ シンブン ゴイ ニ オケル フクヨウゴ ヒキホンゴカ シヨウリツ ゲンショウ ト サンプド ゾウカ ノ カンケイ カラ ミタ リョウテキ ルイガタ

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抄録

先に20世紀半ば以降の『毎日新聞』をデータとする通時コーパスから取り出した「基本語化」および「非基本語化」の候補語(石井 2022 )のうち,品詞レベルでまとまって非基本語化したと考えられる「副用語」(副詞・接続詞・連体詞)23語について,1960 年以降の非基本語化の過程を「使用率の減少傾向」と「散布度の増加傾向」との関係として類型化する作業を行った。非基本語化の過程では,語の各年使用率は減少し,各年散布度は増加するが,使用率が 0.05 ‰を下回るかそれに近づくと散布度が増加を始めるという語が,合わせて18語と全体の約8割を占める。現代の新聞語彙における副用語の非基本語化には,使用率 0.05 ‰付近を「閾値」として使用率の減少が散布度の増加を誘起するという局面があり,その局面の前後で両者の量的関係が「使用率減少・散布度非増加」から「使用率減少・散布度増加」に変化するという類型がある。

収録刊行物

  • 現代日本語研究

    現代日本語研究 14 44-60, 2022-12-20

    大阪大学大学院人文学研究科 基盤日本語学講座 現代日本語学研究室

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