ゼオライトの高耐熱化と自動車排ガス触媒への利用

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タイトル別名
  • Development of Highly Durable Zeolites for Automotive Catalysts
  • ゼオライト ノ コウタイネツカ ト ジドウシャ ハイガス ショクバイ エ ノ リヨウ

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抄録

ガソリン自動車に搭載される三元触媒は,排ガス規制の厳格化とともにその性能を確実に向上させてきた。しかしながら,エンジン始動直後は,触媒が活性化していないことから,性能向上の寄与は薄れ,大部分の排ガス成分は浄化されずに放出される。その中でも,光化学スモッグの主要因となる炭化水素化合物(HC)や窒素酸化物(NOx)は,その排出量が厳しく規制されていることから,始動直後の排出低減が,今後の触媒開発の重要な鍵となる。ゼオライトを有するHCトラップ触媒は,始動直後のHC低減に有効な触媒として注目され,2000年頃には実用化もされている。しかしながら,それらはシステム開発を主体とした実用化であり,既存システムへの適用を目的としたゼオライトの耐熱性向上や機能性向上という点には及んでいなかった。近年,筆者らはジルコニウムやリン修飾によってゼオライトの耐熱性が大きく向上することを見出し,得られた高耐熱性ゼオライトが既存システムにて効果を発現すること報告した。本解説では,高耐熱性ゼオライトのHCトラップ触媒としての性能を紹介し,NMRを中心とした解析結果から耐熱性と機能性発現のメカニズムについて説明する。

収録刊行物

  • ゼオライト

    ゼオライト 40 (3), 117-129, 2023-07-15

    一般社団法人日本ゼオライト学会

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