胃癌切除時にシャント血管切除術を行い術前の肝障害が改善した先天性門脈体循環シャントの成人1症例

書誌事項

タイトル別名
  • An Adult Case of Congenital Portosystemic Shunt with Improvement of Liver Dysfunction after Resection of the Shunting Vessel Concomitantly with Surgery for Gastric Carcinoma

抄録

<p>症例はBMI 34の56歳の女性で,既往に2型糖尿病と非アルコール性脂肪性肝疾患が指摘されていた.胃癌の術前精査で肝障害と高アンモニア血症を指摘された.CTでは左胃静脈と左腎静脈を短絡する太い異常血管が認められた.シャント血管の瘤化はなく径は均一で,先天性門脈体循環シャントが示唆された.幽門側胃切除術中に門脈圧を測定したが門脈圧亢進はなく,シャント血管の一時的クランプの前後で圧の大きな上昇を認めなかったため,一期的にシャント血管を切除した.高アンモニア血症は速やかに改善し,術後16日目に退院した.術後2年経過したが,術前に異常値を示していたトランスアミナーゼ,血清アンモニア値,BTR,M2BPGiは全て正常化,肝の脂肪化も著明に改善し,肝障害は軽快している.胃癌手術およびシャント血管切除術を行い,術前の肝障害の改善を得た先天性門脈体循環シャントの成人1症例を経験したので報告する.</p>

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参考文献 (28)*注記

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