VI.高齢者潰瘍性大腸炎の外科診療

書誌事項

タイトル別名
  • Surgical Treatment for Ulcerative Colitis in the Elderly

抄録

<p>潰瘍性大腸炎(UC)の高齢患者が増加しているが,報告によって高齢UC患者の定義が異なっており,基準年齢が40~75歳と広範にわたっている.高齢UCの報告を読むときは,基準年齢をチェックする必要がある.手術法は一概に年齢で決定せずに,手術対象の疾患や各人の体力,肛門括約筋,排便機能を参考にして,肛門温存術か永久人工肛門造設術かを決定する.高齢であることは術後の排便機能に影響を与える.高齢UC患者では予備能力が低く併存症も多く,術後合併症が多い.とくに緊急手術の死亡率が高いことから,若年者よりも早い段階での手術決定が重要である.実際には高齢UC患者は重症や劇症でも主観的な症状に乏しく,高齢患者の手術適応判断は難しいが,高齢UC患者の命や術後のQOLは手術を決断する外科医にかかっている.</p>

収録刊行物

参考文献 (11)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ