人工股関節全置換術後患者における先行脚の違いによる浴槽側方またぎ動作の解析

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Lateral Straddling Motion of the Bathtub by the Differences in the First Leg of Patients after THA
  • ジンコウ コカンセツ ゼン チカン ジュツゴ カンジャ ニ オケル サキ アンギャ ノ チガイ ニ ヨル ヨクソウ ソクホウ マタギ ドウサ ノ カイセキ

この論文をさがす

抄録

<p>目的:高齢者において,浴槽をまたぐ動作は,転倒を伴いやすく注意が必要な動作である.歩行分析では両脚支持時間の割合が大きいと転倒リスクが高い関係が示唆され,浴槽側方またぎ動作においても同様の関係が予想される.本研究では,機能的バランス能力および移動・歩行能力の回復が不十分なTHA術後患者において,術側下肢を先行脚とした場合と非術側下肢を先行脚とした場合の浴槽側方またぎ動作の違いを両脚支持時間の割合の観点から解析することを目的とした.</p><p>方法:対象は,初回片側THAを後方アプローチにて施行した変形性股関節症患者11例とした.測定時期は当院退院時期とした.ポータブル3次元動作解析装置を使用し,手すりを把持しながら浴槽に入る,浴槽を出る動作を行い,それぞれにおいて,先行脚の違いによる両脚支持時間の割合を算出し,両脚支持時間割合と関連する項目について検討した.</p><p>結果:浴槽を出る際の両脚支持時間の割合は,非術側から出る場合のほうが術側から出る場合に比べて有意に小さかった.浴槽を出る際の両脚支持時間割合と手すり荷重値割合に負の相関関係を認めた.</p><p>結論:THA術後2~3週の下肢機能に左右差がある患者において,浴槽を出る動作は,非術側下肢を先行脚とすることで転倒リスクが小さくなる可能性がある.また,手すりの使用は術側下肢支持時の転倒リスク軽減に寄与する.</p>

収録刊行物

参考文献 (20)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ