日本語の「形」と「質」について―聞こえない・聞こえにくい人たちにとっての困難―

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タイトル別名
  • “Modality” and “Quality” in Japanese Language: Difficulties for the Deaf and Hard of Hearing

抄録

<p>言語のできなさは個人の責任ではなく,既存の言語運用を自明とする社会の責任でもあるという認識のもと,本論文では聞こえない・聞こえにくい人たちの言語生活に見られる困難を記述し,その可視化を試みた.本研究では,実際の生活場面で得たフィールドノーツデータをもとに,言語の「形」と「質」という切り口から言語現象の分析を行った.結果,聞こえない・聞こえにくい人たちの生活では,音や声によるコミュニケーションが不利に働くものの,いくつかの対抗戦略があることもわかった.また,聞こえる身体を前提としている現状の日本語には,聞こえない・聞こえにくい人たちにとって使用しづらい要素があり,それらを表にまとめた.最後に,言語現象の社会モデルの観点から,聞こえない・聞こえにくい人たちにとってわかりやすい日本語を構想することの重要性を述べた.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390297969552144768
  • DOI
    10.19024/jajls.26.1_123
  • ISSN
    21897239
    13443909
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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