骨髄異形成症候群患者に生じた巨大な難治性潰瘍を呈した leukemia cutis の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • Leukemia Cutis Presenting as a Giant Ulcer in a Patient with Myelodysplastic Syndrome
  • コツズイイケイセイ ショウコウグン カンジャ ニ ショウジタ キョダイ ナ ナンチセイ カイヨウ オ テイシタ leukemia cutis ノ 1レイ

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抄録

<p>64 歳,男性。初診 5 カ 月前に末梢血における赤血球,血小板の減少,および骨髄検査における 3 系統の異型性から骨髄異形成症候群と診断された。初診の 1 カ 月前頃に右大転子部に約 5 mm の紅色丘疹を自覚し,急速に増大し約 10×7 cm の潰瘍となったため,当科に紹介され受診した。潰瘍部分より皮膚生検を行ったところ,病理組織学的には芽球細胞が密に浸潤しており,leukemia cutis と診断した。初診より 6 カ 月後,大転子部の紅色丘疹の出現を自覚してから約 7 カ 月で急性転化した。骨髄異形成症候群に leukemia cutis をきたすことは非常に少ない。出現時には白血病化や予後不良を示唆する可能性が高く,本症例も急性骨髄性白血病に移行した。Leukemia cutis の出現が予後を予見できる可能性もあるため,骨髄異形成症候群患者を含めた血液疾患患者において,難治性皮膚病変が出現した場合は皮疹の十分な観察,病理組織学的検討を行うことが必要である。また,原疾患の治療によって皮膚症状が軽快するものもあれば,皮膚病変に対して治療が必要となる場合もあるため,全身状態ならびに皮膚病変の十分な観察,経過フォローを他科とも連携して行っていくことが重要である。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 85 (5), 370-373, 2023-10-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (7)*注記

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