政策・行政への心身医学の実践

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  • Implementing Psychosomatic Medicine in Policy and Governance

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抄録

<p>医療現場での実践と政治家としての経験から,心身医学が政策・行政に何を働きかけて,何ができたのかを紹介した.具体例として,心療内科が標榜科目になったこと,過労死や児童虐待への対策,公認心理師の国家資格化などを取り上げた.今日的な問題としては,ルッキズムと摂食障害,働き方改革,テレワークについて言及した.続いて,心身医学のデジタル化を取り上げ,デジタル化が進むことによる治療の可能性を紹介した.例えば,アプリなどが充実することで,患者自身のモニタリングが容易となり,行動変容が促される.また,デジタル化が加速することが,実は,孤立・孤独対策にも好影響を与える可能性を述べた.</p><p>最後に,心身医学の立場から人が暮らしやすい環境として「コンパクトシティ」の実現を提案した.ほどよい規模の都市で,テレワークを活用しながら,自己実現を図る.そのような町づくりに,心身医学の知見を反映させるのが重要であると結論づけた.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 63 (6), 499-506, 2023

    一般社団法人 日本心身医学会

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