農作業への復帰を希望した患者に対するリバース型人工肩関節置換術の治療成績

DOI

この論文をさがす

抄録

リバース型人工肩関節置換術術後の活動性再獲得についての報告は本邦では少ない.本研究の目的は術後に農作業への復帰を希望した患者に対するリバース型人工肩関節置換術の臨床成績と復帰状況を調査することである.対象は5例5肩で,原疾患は全例自働挙上が90° 以下の偽性麻痺を呈する腱板広範囲断裂であった.術前と術後2年の比較では,自動屈曲が中央値50.0° から135.0° ,自動外旋が20.0° から45.0° ,自動内旋がTh12のまま不変で,JOAスコアが45.0点から92.5点で,屈曲可動域とJOAスコアで有意な改善を認めた.農作業には全例が復帰し,復帰時期は平均4.0カ月(3カ月~9カ月)であった.術後2年では脊椎圧迫骨折で一時的に中断していた1例を除き農作業への従事は可能であった.本研究の結果からリバース型人工肩関節置換術は農作業への復帰を希望する腱板広範囲断裂患者に対して治療選択肢としてなり得る.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 47 (2), 404-406, 2023

    日本肩関節学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ