Risser sign grade 4の思春期特発性側弯症におけるCobb角進行と危険因子の検討

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タイトル別名
  • Curve progression and risk factors in patients of adolescent idiopathic scoliosis with Risser sign grade 4

抄録

<p>はじめに:思春期特発性側弯に対する装具治療は,一般に骨成熟が終盤と評価されるRisser sign grade 4以上には積極的推奨はされていない.しかし,Risser sign grade 4でもCobb角が進行する症例をしばしば経験する.</p><p>対象と方法:対象は2016年から2020年に当院を初診し,Risser sign grade 4を呈する思春期特発性側弯症のうち1年以上経過観察した42例であった.Cobb角の変化,患者背景,身体所見,放射線学的評価を,進行群と非進行群に分け比較検討した.</p><p>結果:進行群8例,非進行群34例で,進行群ではCobb角が初診時28.7°が経過観察時35.8°となり,平均7.1°増加した.初潮から初診までの経過期間は非進行群24.2ヶ月に対し進行群9.7ヶ月と有意に短く(P=0.003),身長変化は非進行群が1.8 cm増加したのに対し,進行群が2.9 cm増加と有意に大きかった(P=0.02).その他では差を認めなかった.</p><p>結語:Risser sign grade 4の思春期特発性側弯症の約2割で側弯の進行を認めた.進行群では,初潮から初診までの経過期間が短く,身長の伸びが大きかった.初潮から初診までの経過期間と身長変化により,進行が危惧される場合は装具治療も考慮する必要がある.</p>

収録刊行物

  • Journal of Spine Research

    Journal of Spine Research 14 (11), 1377-1382, 2023-11-20

    一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298200989511680
  • DOI
    10.34371/jspineres.2023-1107
  • ISSN
    24351563
    18847137
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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