六価クロム定量のための水酸化鉄(III) 共沈法による三価クロム除去に対する水酸化鉄(III) 沈殿の微細化の影響

  • 政井 咲更美
    公立鳥取環境大学大学院環境経営研究科環境学専攻 現在所属 鳥取県衛生環境研究所水環境室
  • 門木 秀幸
    公立鳥取環境大学環境学部環境学科

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of the Grain Refinement of Iron(III) Hydroxide Precipitation for Removal of Chromium(III) by Iron(III) Hydroxide Coprecipitation Method for Chromium(VI) Determination

抄録

<p>水酸化鉄(III) 共沈法による六価クロム定量において,アルカリ条件での水酸化鉄(III) 沈殿の微細化が三価クロム除去率へ与える影響について明らかにした.硫酸アンモニウム鉄(III) 溶液を添加後,水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを調整し,加熱・放冷後にろ過を行い三価クロムと六価クロムを分離した.加熱・放冷後のpHが10.78〜12.67では三価クロム除去率が低下し,六価クロムの定量値に正の誤差を与えることが確認された.これは,ろ液の鉄濃度が上昇し,ろ液が着色したことから,水酸化鉄(III) 沈殿が微細化し,三価クロムとともにメンブレンフィルターを通過したためと考えられた.塩化カルシウムを添加した結果,水酸化鉄(III) 沈殿の凝集を促進し,三価クロム除去率が向上することを確認した.また,塩化カルシウムの添加は六価クロム回収率には影響しなかった.この結果,加熱・放冷後のpHが8.95〜13.07で,六価クロムの回収率は90% 以上,三価クロムの除去率は98% 以上となり,定量的な分離が可能となった.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 72 (10.11), 425-430, 2023-10-05

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ