親疎関係で見る上昇下降調の使用率 : 『日本語日常会話コーパス』を用いて

書誌事項

タイトル別名
  • The Usage Rate of Rising-Falling Tones in Different Relationships Using Corpus of Everyday Japanese Conversation

抄録

親疎関係がイントネーションを影響することが知られているが、話者間の親疎関係と上昇下降調の使用率について定量的な分析が不十分である。本研究では『日本語日常会話コーパス』のコアデータから42会話(延べ話者数122名)を抽出し、句末音調のラベリングを話者ごとに統計し、親疎関係による上昇下降調の使用傾向を調査した。全体の傾向として、上昇下降調の使用率は、「家族親戚<友人知人<仕事関係者」であり、カイ二乗検定で有意差が見られた。親しさでは「家族親戚>友人知人>仕事関係者」だと考えられるため、上昇下降調との負の相関が示された。個人差、会話の形式と活動を考慮する場合でも、上昇下降調の使用率と話者間の親しさとの負の相関が観察されたケースが存在する。日本語母語話者の日常会話では、親しさが比較的に低く、丁寧さがより必要となる相手に対して、上昇下降調がより頻繁に使われる傾向があると言える。

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