程度副詞使用実態の横断的・縦断的調査 : 「通時話し言葉コーパス」の試み

書誌事項

タイトル別名
  • A Cross-sectional, Diachronic Survey of the Usage of Adverbs of Degree : Possibilities of the “Diachronic Spoken Language Corpus”

抄録

本研究では『昭和話し言葉コーパス』(SSC)、『日本語話し言葉コーパス』(CSJ)、『日本語日常会話コーパス』(CEJC)を使用し、程度副詞「とても」とその類義語の使用実態についての横断的・縦断的調査を実施した。横断的調査の結果、SSC内の比較からは独話環境では「ひじょうに」の使用が特に多く、会話環境では複数の語が同程度使用されること、CSJ・CEJCの比較からは独話環境では「ひじょうに」、会話環境では「けっこう」、「すごく」の使用が特に多いことが分かった。縦断的調査からは、語によって使用傾向の変化に異なりがあり、使用頻度が高い語の中でも使用場面が狭まる語と広がる語に分かれることが分かった。また、主な使用場面が変化する語も確認された。使用場面が通時的に広がる語に注目した用例の検討からは、使用傾向の変化には類義語間の選択傾向の変化だけでなく、程度副詞の談話標識化という用法自体の変化が関わっていることが示唆された。

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