近現代語コーパスにおける漢語「是非」

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タイトル別名
  • The Sino-Japanese zehi ‘right and wrong, by all means’ in Corpora of Modern and Present-day Japanese

抄録

現代日本語において「ゼヒ」は副詞用法が中心であるが、感動詞的用法への拡張も見られる。「ゼヒ」は歴史的に見ると「是」と「非」という漢語の文字通りの意味の名詞から副詞へと意味・用法が拡張し、近代以降に副詞用法の使用頻度が高くなったという。本研究では、書き言葉のコーパスの会話部分ならびに話し言葉のコーパスの会話を利用して、近現代語の会話における「ゼヒ」の用例を調査した。調査の結果、(i)「ニ」を伴わない「ゼヒ」の形式の副詞用法が最も頻度が高く、名詞用法はわずかであること、(ii) 副詞用法の使用比率は20世紀のほうが19世紀後半より高いこと、(iii) 現代語の会話のコーパスでは「ゼヒ」や「ゼヒゼヒ」などの形式で相手の発話への応答としても用いられ、感動詞的用法への拡張が見られることがわかった。

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