LA-MC-ICP-MSを用いたイルメナイト局所U-Pb年代測定

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タイトル別名
  • Development of in-situ U-Pb dating of ilmenite using LA-MC-ICP-MS

抄録

<p>イルメナイト(FeTiO3)はFe2+とTi4+の酸化物であり,ジルコンなどの産出が稀な苦鉄質岩に幅広く産出する.この鉱物は,Uを非常に低い濃度(10-100 ng g-1)含有し(Noyes et al., 2011; Thompson et al., 2021),分配係数がPbと比べて高い(Klemme et al., 2006; Snape et al., 2022)ことから,U-Pb年代測定の対象となり得る.本研究では分析の標準物質に発表者がPb¬Pb年代を高精度に決定したFe-Ti酸化物を用い,高感度のレーザーアブレーション多重検出型誘導結合プラズマ質量分析法(LA-MC-ICP-MS)によりU-Pb年代測定を実施した.初めに分析の正確性評価のため,米国・ダルース岩体FC1(ジルコン U-Pb年代:1099.0 ± 0.6 Ma; Paces and Miller, 1993)から分離したイルメナイトのU-Pb年代測定を実施した.分析の結果,FC1 イルメナイトのU濃度には0-81 ng g-1の変動が存在した.Fe-Ti酸化物標準物質を用いて元素分別補正を行ったFC1 イルメナイト U-Pb年代は,1092.5 ± 11.6 Ma (1σ; MSWD=1.5, n=20; Anchored Initial Pb (207Pb/206Pb)0 = 0.9171 (Stacey and Kramers, 1975))であり,先行研究で報告されている当該地域のジルコンU-Pb年代と調和的で,分析精度約1 %の精確な年代を得ることに成功した.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298355906094848
  • DOI
    10.14862/geochemproc.70.0_182
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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