書誌事項
- タイトル別名
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- The Effect of Taking Family Photographs on Forming a Family in the Growing Care Unit
- シンセイジ チリョウ カイフクシツ ニ オケル カゾク シャシン ガ カゾク オ ケイセイ スル コトニ アタエル エイキョウ
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説明
<p>本研究は,新生児治療回復室(Growing Care Unit:以下GCU)で行う家族写真が家族を形成することに与える影響を明らかにすることを目的とし,第一子がGCUを退院した両親58名にアンケート調査を行った.</p><p>結果,問1「家族写真を撮影した時,楽しさや嬉しさ,わくわく感を感じた」93.3%,問2「家族写真を撮影していた時間は,家族にとって特別な時間であると感じた」95.6%,問3「家族写真を撮影して,家族3人で過ごしたいという気持ちがより強くなったと感じた」82.2%,問4「家族写真を撮影して,子どもを育てることに対して頑張ろうと思う気持ちがより強くなったと感じた」80.0%,問5「季節の装飾と一緒に家族写真を撮影して,退院後は実際のイベントを家族で一緒に体験することを想像できた」77.8%と多くの両親が肯定的に回答した.問1~5で両親間に有意差は認めないが,問2~4では父親の方が「強く感じた」割合が多かった.また,出生週数と5問の合計点数に低い負の相関(r=-.305, p<0.05)があり,出生週数が浅い子どもの親ほど合計点数が高い傾向があった.さらに,自由記載の質問「初めて家族写真を見た時どのように感じたか」・「家族写真を見た時に両親でどのようなことを話したか」・「家族写真撮影を今後も行うことに対して良いまたは良くないと思う理由」の分析した結果,92個のコメントを抽出し,22個のサブカテゴリー,6個のカテゴリーが導き出された.これより,家族写真が家族を形成することへの影響として,アンビバレントな感情があるなかでも子どもとの触れ合いで【わが子の生きる力に感動した】だけでなく,家族3人で家族写真を撮るという一つの目的をもって協働する体験から【3人家族と親役割を認識した】こと,ほとんどの両親が【家族写真を良い経験だと思った】ことから親子・家族間の相互作用や親役割獲得などがあると考えられる.また,両親が【イベントから家族の姿を想像した】や【子どもと一緒にいたいという思いを励みにした】というように,子どもがいない場でも子どもをより身近に感じられることで心理的接触や夫婦間のコミュニケーションが生まれる機会となっており,家族3人の心理的な距離を近づけている様子があった.さらに,両親は子どもの出生前からの家族の歩みを振り返って家族で困難を乗り越えてきたことを肯定的に受け止めて励みとするだけでなく,その道のりを将来の子どもとも共有したいと感じており,【過去から未来へ家族の絆を強めた】という影響があると考えられる.</p>
収録刊行物
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- 家族看護学研究
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家族看護学研究 28 (2), 77-86, 2023-03-31
一般社団法人 日本家族看護学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390298355906221696
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- NII書誌ID
- AA11218931
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- ISSN
- 27588424
- 13418351
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- NDL書誌ID
- 032823150
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可