体操競技におけるつり輪の〈水平支持〉に関する発生運動学的一考察(方)

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抄録

<p>体操競技におけるつり輪の〈水平支持〉は2023年現在、採点規則において力静止技に属しており、開脚姿勢と閉脚姿勢で実施する場合の2種類の運動形態が存在する。また、近年では国内外問わず多くの選手が、競技会で単独技としての〈水平支持〉ではなく、振動技から〈水平支持〉を実施している。発表者が指導者として関わる大学生に対する体操競技指導現場においても、〈水平支持〉の習得を目指している選手もいるが、その中で発表者は、体操競技特有の「白樺の姿勢」で習得を目指している選手に少なからず遭遇してきた。〈水平支持〉は、両腕で身体を支え、身体を床面と水平になるよう姿勢を保持することになるが、発表者は、〈水平支持〉で身体を水平に保持する際、白樺の姿勢での実施は、習得過程において技術的困難性を伴い、習得を目指す学習者の理想像と実際の効果的な技術学習の間に差があると考えた。</p><p> 本研究では体操競技の指導現場の実践事例をもとに〈水平支持〉における姿勢保持の技術を発生運動学的立場から考察し、〈水平支持〉における姿勢保持の動感や技術情報を提供することを目的とする。本研究に関連する先行研究として、金子(1974)は、水平姿勢保持の基本技術がバランスであることを述べ、バランスをとるための情報として「バランスをとるために肩を前に乗り出してゆけばよい」と述べている。発表者は、〈水平支持〉で肩を前に乗り出す際、白樺の姿勢では両腕に乗せる感覚が捉えづらく、この技の習得を目指す者にとって効果的な技の学習につながらないものと発表者は考えた。そこで、研究発表では、上記問題性を解消するために発表者が行った指導現場での実践指導と、行われた実践指導に対する発生運動学的考察を通して得られた技術情報を発表する。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298355906440192
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.73.0_189
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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