地域スポーツでのボランティア活動に対する親の継続意図と子どもの感謝表出は関係するか?

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抄録

<p>先行研究では,地域スポーツでのボランティア活動に対する親の継続意図と関係する要因が検討されてきた(大橋ほか,2022)。一連の研究によって,満足感や楽しさといった地域スポーツでの親のポジティブな感情が継続意図と正の関係を持つことが示されてきた(元嶋・杉山,2022)。一方で,地域スポーツでのどのような体験が,親の継続意図と正の関係を持つのかは明らかとなっていない。地域スポーツでのボランティア活動を親が快く継続しようと思える環境を構築するためには,親の継続意図を高めるような具体的な体験を明らかにすることは重要だろう。そこで,本研究では,親の継続意図と正の関係を持つと考えられる具体的な体験として,子どもの感謝表出に焦点を当てる。そして,この子どもからの感謝表出と親の継続意図との正の関係を,地域スポーツに参加する子どもを持つ母親を対象とした横断調査によって検証した。本研究では,オンライン調査会社のマイボイスコムを利用してオンライン調査を実施した。まず,8歳から12歳の子どもをもつ母親5000名を対象に調査協力を依頼した。そして,5000名の対象者のうち,地域スポーツに参加する子どもを持つ母親400名(平均年齢=27.0歳,標準偏差=5.0歳)に調査を実施した。親の継続意図得点を目的変数とした重回帰分析を実施したところ,自身の子どもの感謝表出得点の標準化偏回帰係数は、β=.310で有意であった。このことから,子どもが参加する地域スポーツでのボランティア活動に対する親の継続意図と,子どもの感謝表出との間に正の関係があることが示された。地域スポーツでのボランティア活動を親が快く継続するためには,親がボランティア活動をしてくれていることに対して子どもが感謝を表出することが効果的であることが示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298355906520320
  • DOI
    10.20693/jspehssconf.73.0_301
  • ISSN
    24367257
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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