Cliffs and Walls in Social Implementation of Evidence for Health Promotion

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  • 健康づくりエビデンスの社会実装にある崖と壁

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<p>実社会で健康づくりを進める上で必要なエビデンスは科学者によって蓄積されているし、その活用が必要不可欠なことも分かっている。しかし、「誰が」「どのように」エビデンスを活用すればいいのか、はあまり議論されない。そこには、健康問題が公-私の間でゆらいでいるという背景があるのではないだろうか。</p><p> 健康問題は社会保障費の増大との関連で語れば公的問題だが、最終的に個人の身体と生に還元される問題だと捉えれば、自己責任であり個人が負うべき問題とも言える。公-私の間でゆらぐ健康問題には、エビデンスの社会実装を阻む崖と壁があるようにみえる。崖は、財政の限界、市場原理主義の定常化に伴う健康格差、健康観の多様化に伴う健康づくりのコモディティ化である。壁は、健康づくりの自己責任化、格差を是正する健康づくりサービスのビジネス化の難しさ、EBPMの不成立である。</p><p> 公‐私の間で論点整理が難しい健康問題だが、「わたしたちの健康は、誰が・どのように維持・増進するのか?」と問うてみたい。健康づくりに関するエビデンスの効果的な活用法は、この問いに対する回答によって決まるはずである。</p>

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