頚部傍脊椎領域原発悪性リンパ腫に対し椎弓形成術を施行した小児の1例

抄録

<p>【はじめに】非常に稀な小児頚部傍脊椎領域原発悪性リンパ腫に対し,椎弓形成術を施行した症例を報告する.【症例】12歳,男児.1か月前より頚部痛あり,徐々に上肢麻痺(MMT3),巧緻運動障害が出現し紹介となった.MRIでC3-6の椎体から椎弓にかけての腫瘍性病変と脊髄腫大を認めた.受診翌日にC3-6の椎弓形成を行い,前駆B細胞性リンパ芽球性リンパ腫と診断された.小児科にて化学療法施行後,C3-6に対し陽子線を18 Gy照射した.現在術後4年で麻痺なく,寛解を維持している.最終観察時C2-7角は11度であった.陽子線照射にもかかわらず,脂肪髄化した椎体がリモデリングし,椎体高も1椎体平均4.15 mm成長した.【考察】小児に対する頚椎椎弓形成術や陽子線治療後の椎体成長に関する報告は少ない.小児腫瘍は予後が改善してきており,骨成長や変形に対しても長期に経過観察する必要がある.</p>

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