下北半島中部で掘削されたSN-010深部ボーリングコア中の中新統泊火山岩類の岩石記載と層序対比

  • 相澤 正隆
    琉球大学大学院理工学研究科 現所属:秋田大学大学院理工学研究科
  • 稲葉 充
    GeoPuck Associates
  • 岡村 聡
    北海道教育大学 北海道土質試験協同組合
  • 新城 竜一
    琉球大学大学院理工学研究科 総合地球環境学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Petrology of the Miocene Tomari volcanic rocks in the SN-010 deep core from the Shimokita Peninsula in northern Japan and its correlation to the surface geology

抄録

青森県下北半島東部に分布する泊火山岩類は,東北日本弧の中期中新世の火山フロントを構成していた火山岩層である.火山活動は4つのステージに分けられており,第Iステージの地質体は金津山安山岩,第IIステージの地質体は下部が月山安山岩,上部が泊玄武岩,第IIIステージの地質体は鷹架安山岩,第IV ステージの地質体は吹越安山岩と呼ばれる.このうち,泊玄武岩はかんらん石に富みクロムスピネルも含むことで特徴づけられる.2014~2016 年にかけて泊層の西隣でボーリング調査が行われ,得られたコアの 308 m 以深に泊火山岩類が産出した.本研究による岩石学的検討により,コアの深度約1003 m 前後の溶岩が泊玄武岩に対比された.全岩化学組成は浅部コア試料と地表の泊層で類似する一方,深部コア試料はより高いLIL/HFS 元素比を有することから,本層の活動中にスラブ由来流体の組成が変化した可能性が示唆される.

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 129 (1), 587-602, 2023-12-06

    一般社団法人 日本地質学会

参考文献 (35)*注記

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