光触媒機能を有するペルオキソ改質アナターゼゾルを含浸処理した多孔質レーヨン繊維のアンモニアガスに対する吸着/分解性

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タイトル別名
  • Adsorption and Degradability of Porous Rayon Fibers Impregnated with Photocatalytic Peroxo-Modified Anatase Sol for Ammonia Gas

抄録

<p> 消臭効果に優れる繊維を開発すべく, アンモニアガスを有効に吸着/分解し得るレーヨン繊維の研究を行った. そのために粗面化させたレーヨン繊維を作製し, 高温高圧状態でペルオキソ改質アナターゼゾル (以下, “PAゾル”と略す) の繊維表面への含浸処理を行った. 得られた繊維に対して, アンモニアガスに対する吸着/分解効果について評価した.</p><p> その結果, 多孔質レーヨン繊維にセルラーゼ処理した場合では, 処理していない場合に比べて高いガス吸着効果を示した. さらにその繊維を加熱すると, 繊維内部に吸着されたアンモニアガスが比較的高い濃度で検出された. このことから, アンモニア分子に対する吸着性は非常に高いことがわかった. さらに, それらの繊維にPAゾルを含浸処理したところ, 繊維より放出されるアンモニアガスの濃度は光照射によって低くなることもわかった. このことは, 光触媒機能によってアンモニア分子が分解されたためと考えられた. このような傾向は長時間後 (7日~10日後) ではより明確になり, アンモニアが完全に検出されなくなることもわかった. 以上のことにより, セルラーゼによって表面を粗面化させたレーヨン繊維に対してPAゾルを含浸させることは, アンモニア分子に対する吸着/分解効果の高い繊維を得る上で有効な手段であることがわかった.</p>

収録刊行物

  • 日本家政学会誌

    日本家政学会誌 74 (11), 627-636, 2023

    一般社団法人 日本家政学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298388886174720
  • DOI
    10.11428/jhej.74.627
  • ISSN
    18820352
    09135227
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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