肺癌根治術1年3か月後に気管支断端の縫合糸とプレジェットが気管支内腔に迷入した1例

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タイトル別名
  • A Case of Migration of Sutures and Pledgets to the Bronchial Lumen 15 months After Radical Lung Cancer Surgery

抄録

<p>背景.呼吸器外科手術後,縫合材料が気管支内腔に迷入した症例は稀である.症例.67歳,女性.右肺癌に対し胸腔鏡補助下S6区域切除術を施行.手術時に,B6aとB6b+cが別個で分岐しており,ステープラーで一括にして切離した.B6aの断端からエアリークを認めたためテフロン製プレジェットを用いて閉鎖したが,術後は合併症なく経過した.術後1年3か月経過時,徐々に増悪する咳嗽と呼吸困難が生じ,来院した.胸部エックス線検査で右下肺野に浸潤影を認め,肺炎を疑い胸部CT検査を施行した.CT上,右中間気管支幹に高吸収の構造物を認め,右中間幹の閉塞を生じていた.気管支異物を疑い気管支鏡を施行したところ,右中間幹に白色の異物を認め,鉗子で容易に摘出できた.摘出物は手術時の縫合糸とプレジェットであり,摘出後に症状は改善した.結語.我々は縫合糸とテフロン製プレジェットが気管支内腔に迷入した原因として,肉芽形成によって,縫合糸とプレジェットが気管支内腔へ排出されたと推測した.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 45 (6), 403-407, 2023-11-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298433278213888
  • DOI
    10.18907/jjsre.45.6_403
  • ISSN
    21860149
    02872137
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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