切除により症状の改善を得た大網漿液性囊胞腺腫の1例

  • 穐山 竣
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院外科
  • 横田 満
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院外科
  • 山口 賢二
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院外科
  • 長久 吉雄
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院外科
  • 稲村 幸雄
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院外科
  • 河田 健二
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院外科
  • 増井 俊彦
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院外科
  • 岡部 道雄
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院外科
  • 北川 裕久
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院外科
  • 板倉 淳哉
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院病理診断科
  • 河本 和幸
    公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院外科

書誌事項

タイトル別名
  • Serous Cystadenoma of the Greater Omentum with Symptomatic Improvement after Resection: A Case Report

抄録

<p>症例は40歳の女性で,2か月持続する下腹部痛の増悪を主訴に当院を受診した.血液検査や尿検査で特記異常所見はなく,妊娠反応も陰性であった.CTおよびMRIで大網由来と考えられる7 cm大の単房性囊胞性腫瘤を認め,その他症状の原因となりうる器質的異常は認めなかった.症状の原因と判断し腹腔鏡下に摘出術を行った.術中所見で腫瘍は大網と連続し,骨盤内臓器との連続性は認めなかった.病理組織学検査では7 cm大の単房性囊胞性病変で,囊胞壁は一層の線毛上皮に被覆されていた.免疫染色結果ではPAX8に陽性を示し,卵巣の漿液性囊胞腺腫と相同の病変と考えられた.術後,症状は消失した.漿液性囊胞腺腫は典型的には卵巣に発生するが,後腹膜腔以外では後縦隔に発生した報告がまれながらある.大網発生の報告はないが,卵管や卵管采の上皮が異所性に迷入し発生したと推測された.本症例のように有症状となった場合,手術適応と考えられた.</p>

収録刊行物

参考文献 (8)*注記

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