腸回転異常症およびMeckel憩室を合併した右傍十二指腸ヘルニアの1例

DOI
  • 船越 早織
    杏林大学医学部消化器・一般外科 公立昭和病院 外科・消化器外科
  • 兼子 晋
    公立昭和病院 外科・消化器外科
  • 山口 浩和
    公立昭和病院 外科・消化器外科
  • 上西 紀夫
    公立昭和病院 外科・消化器外科 財団法人多摩緑成会

書誌事項

タイトル別名
  • Paraduodenal hernia with associated intestinal malrotation and Meckel's diverticulum

抄録

<p>症例は33歳,男性。突然の腹痛,嘔吐を主訴に救急搬送された。造影CT検査で臍部直下にsac-like appearanceを認め,その内部小腸は広範囲に渡り血流障害が疑われた。傍十二指腸ヘルニアによる絞扼性腸閉塞の診断で緊急手術を施行した。開腹すると小腸はほぼすべてヘルニア嚢内に陥入し,一部虚血腸管も認めた。ヘルニア嚢を開放すると,虚血腸管の血流は速やかに改善した。十二指腸水平脚が形成されず,回盲部から上行結腸は後腹膜と固定されていなかった。以上より,腸回転異常症を伴った右傍十二指腸ヘルニアによる絞扼性腸閉塞と診断したため,内ヘルニア解除および予防的虫垂切除を施行した。また,回腸末端より60cmの小腸に偶発的にMeckel憩室を認めたため,Meckel憩室切除も同時に行った。腸回転異常症など消化管異常には他の先天奇形を合併する可能性があるが,術前画像では指摘できないことも多い。若年の絞扼性腸閉塞は先天奇形と他の消化管異常を念頭におき,適切な診断と治療が重要である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298610032251264
  • DOI
    10.11434/kyorinmed.54.187
  • ISSN
    1349886X
    03685829
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ