がん薬物療法の進歩
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- 長島 文夫
- 杏林大学医学部腫瘍内科学
抄録
<p>がん薬物療法においては,細胞障害性抗がん薬,分子標的薬,免疫治療薬,ホルモン薬など新規薬剤の臨床開発が進み,治療成績も向上している。細胞障害性抗がん薬で広く知られている副作用のほかに,分子標的薬や免疫治療薬においては副作用が多岐にわたり,その対応には工夫が必要である。また,遺伝子を網羅的に調べる遺伝子パネル検査が保険収載され,遺伝子背景に基づいた治療薬選択の機会も提供できるようになった。さらに,異なる臓器に生じた癌でも共通の遺伝子異常を有する場合には,同じ薬剤を用いた治療が可能になると考えられ,臓器横断的ゲノム診療も始まっている。超高齢社会を迎えた我が国では,適切な薬剤を用いることに加えて,各患者の生活環境,治療意向をも踏まえた医療の提供が重要である。</p>
収録刊行物
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- 杏林医学会雑誌
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杏林医学会雑誌 54 (4), 213-216, 2023-12-28
杏林医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390298610032350720
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- ISSN
- 1349886X
- 03685829
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可