鶏肝臓の定量的カンピロバクター汚染実態調査

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タイトル別名
  • Quantitative Survey of <i>Campylobacter</i> on Chicken Livers in Japan
  • ケイ カンゾウ ノ テイリョウテキ カンピロバクター オセン ジッタイ チョウサ

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抄録

<p>鶏肝臓は,人のカンピロバクター感染症の感染源の1つである.我々は,市販鶏生肝臓中のカンピロバクター菌数を調べた.インターネット上の店舗および小売店で生の鶏肝臓製品33製品を購入するとともに,食鳥処理場において,消化管,肝臓および胆嚢内胆汁を採取した.市販33製品のうち27製品(81.8%)はカンピロバクターに汚染されていた.27製品から取り出した149検体の肝臓のうち138検体からカンピロバクターが分離された.汚染肝臓中の平均カンピロバクター数は,2.3 log10 CFU/gであった.138検体のカンピロバクター陽性肝臓のうち22(15.9%)検体では,カンピロバクター菌数が3.0 log10 CFU/g以上であった.食鳥処理場で採取した35羽の検体では27羽の盲腸内容物からカンピロバクターが分離された.そのうち24(88.9%)羽の肝臓からカンピロバクターが分離され,平均菌数は2.8 log10 CFU/gであった.肝臓からカンピロバクターが分離された24羽のうち13(54.2%)羽の胆汁からカンピロバクターが分離され,その平均菌数は3.5 log10 CFU/mLであった.2羽の胆汁中の菌数は,8.3 log10 CFU/mL以上であった.これらの結果は,カンピロバクター保菌鶏の肝臓は食鳥処理場における内臓摘出時にカンピロバクターに汚染されていることを示唆している.鶏肝臓の喫食を原因とするカンピロバクター感染症を防止するためには,肝臓を十分に加熱するべきである.</p>

収録刊行物

  • 食品衛生学雑誌

    食品衛生学雑誌 64 (6), 214-217, 2023-12-25

    公益社団法人 日本食品衛生学会

参考文献 (6)*注記

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