肝細胞癌胃転移の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Gastric Metastasis from Hepatocellular Carcinoma

この論文をさがす

抄録

<p>症例は59歳男性.2019年2月より非B非C型肝細胞癌に対し肝動注化学塞栓療法を3回施行し,ラジオ波焼灼術を3回施行し,その後再発なく経過していた.2021年3月に貧血を契機に,上部消化管内視鏡を施行し,胃体中部大彎に1型病変を指摘され,生検で低分化型腺癌の診断を得た.また同時に,胸部中部食道に粘膜下層以遠への浸潤を疑う表在癌も指摘され,生検で中分化型扁平上皮癌の診断となった.胃癌指摘前よりAFPレクチン3分画の急峻な上昇傾向がみられたため,肝細胞癌再発の可能性と治療の侵襲度を考慮し,食道癌は切除対象とせず,まずは出血が続く胃癌のみを切除する方針とした.2021年5月に開腹幽門側胃切除術を施行し,術後経過は良好で第8病日に退院した.最終病理組織診断は肝細胞癌胃転移と診断した.また,術後に測定したAFPレクチン3分画は急激に低下していた.今回,肝細胞癌の胃転移の1例を経験したので自験例に若干の文献的考察を交えて報告する.</p>

収録刊行物

参考文献 (9)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ