世界のゲノム研究の潮流と我が国での今後の展開

  • 鈴木 穣
    東京大学大学院新領域創成科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Advent of the new era in genome technologies

抄録

<p>本講演では近年になってますます進展の著しいゲノム関連技術の潮流と、我が国での今後のゲノム研究の方向性について論じたい。まずシングルセル解析から端を発した空間解析の瞬く間の普及について振り返る。先行するシングルセルの成熟は、さらにその元を辿れば次世代シークエンサーのシークエンス能力の飛躍的な拡大と普及がある。何万、何十万人にといった規模でヒト全ゲノム解析を行える性能がなければ、何万、何十万細胞についての遺伝子解析を行うことは不可能であった。しかし、これが空間位置情報を保全した形での遺伝子発現解析へと変貌を遂げるにあたりシークエンスに依存しない計測へと大きな変貌を遂げつつある。ここでは産出されるデータは、塩基配列データではなく画像情報を主とする。必然的にこれまでのデータ利活用、データベースの在り方も大きな転換点を向ける。10年にわたって広く医学・生物学分野を席巻した次世代シークエンス時代のひとつの転機として、現在のゲノム科学の新しい勃興期の熱狂を参加者の皆様と共有したい。あくまで演者の立場からの一方的情報提供の場でなく、会場全体での意見交換の場となれば、と思う。</p>

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