認知症高齢者の介護抵抗と徘徊への対応に関する 実証的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Using the Step Method of Hypothesis-testing Case Studies to Address Care Resistance and Wandering in a Dementia Patient
  • 認知症高齢者の介護抵抗と徘徊への対応に関する実証的検討 : ステップ式仮説検証型事例検討による実践報告
  • ニンチショウ コウレイシャ ノ カイゴテイコウ ト ハイカイ エ ノ タイオウ ニ カンスル ジッショウテキ ケントウ : ステップシキ カセツ ケンショウガタ ジレイ ケントウ ニ ヨル ジッセン ホウコク
  • ─ステップ式仮説検証型事例検討による実践報告─

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説明

本稿は地域密着型介護老人福祉施設に入居している重度認知症高齢者の示すBehavioral and Psychological Symptoms of Dementia( BPSD)である「介護抵抗」と「徘徊」に対して,ステップ式仮説検証型の枠組みに 従い,対象者の多面的理解と仮説に基づいた介入を実施し,その効果を検討したものである。「介護抵抗」で は,その背景として認知症による認知機能の低下に起因するトイレ介助場面での不安・緊張の高まりと身体的 苦痛が想定され,トイレ介助時の対応の統一を図った。「徘徊」の背景には,認知機能低下に伴うストレスや 焦燥感,病前の活動性の高さ,居住エリアでの対象者にとっての快刺激の乏しさが想定され,居住環境での対 象者の快刺激の増加と安全な歩行環境の整備による介入を行った。これらの介入の効果について,介入前と比 較を行った結果,「介護抵抗」では有意な介入効果は認められなかったが,「徘徊」については職員に対する対 象者の無反応が有意な減少を示した。さらに職員評価による対象者の「ネガティブ言動」の生起頻度の減少, 「徘徊」と「ネガティブ言動」の対応困難度の有意な軽減が認められ,介入効果が一部認められた。最後に, ステップ式の適用可能性と今後の課題について議論を行った。

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