市中病院における針刺し事故の現状と対策について (汚染源不明針刺し事故例を中心に)

  • 甲斐沼 孟
    国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急センター
  • 三井 秀紀
    国家公務員共済組合連合会大手前病院 救急センター

書誌事項

タイトル別名
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抄録

背景:当院では針刺し事故発生時に汚染源不明の場合は救急医が院内マニュアルに沿って対応している。 目的:当院の針刺し事故の現状と対策を報告する。 対象・方法:2016 年 4 月~2019 年 3 月迄の平日日勤帯に認めた汚染源不明針刺し事故例を調査する。 結果:対象は 4 例,年齢は 20 歳代から 70 歳代で全例女性であった。事故者職種は看護師 2 例,看護助手 1 例,事務員 1 例で,汚染器具はインスリン注射針 2 例,留置針 1 例,メス刀 1 例で各々薬剤袋内や廊下,ハザードボックス内,膿盆内に存在した。汚染部位は手指部 3 例,左下腿部 1 例であった。事故後対応の処置内容は十分な水洗 4 例,縫合処置 1 例で,HB免疫グロブリン投与 2 例,HBワクチン投与 2 例,抗HIV薬予防内服 1 例であった。事故後のこれまでの観察において新規感染を認めていない。 考察:本研究では汚染器具の悪い廃棄環境が主だった針刺し事故の要因であった。今後も注射針等専用廃棄容器の適正配置や針刺し防止に配慮した安全機材活用など組織的啓蒙が期待される。 結語:当院の汚染源不明の針刺し事故例の現状と対策を報告した。

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