診断に苦慮した自己免疫性肝炎の 1 例

  • 神垣 充宏
    社会福祉法人恩賜財団済生会支部広島県済生会 済生会呉病院 内科
  • 伊藤 博之
    社会福祉法人恩賜財団済生会支部広島県済生会 済生会呉病院 内科
  • 熊田 純子
    社会福祉法人恩賜財団済生会支部広島県済生会 済生会呉病院 内科
  • 門田 紘樹
    社会福祉法人恩賜財団済生会支部広島県済生会 済生会呉病院 内科
  • 中野 誠
    社会福祉法人恩賜財団済生会支部広島県済生会 済生会呉病院 内科
  • 田中 美和子
    医療法人 JR広島病院 健診センター
  • 青木 信也
    社会福祉法人恩賜財団済生会支部広島県済生会 済生会呉病院 内科
  • 津賀 勝利
    社会福祉法人恩賜財団済生会支部広島県済生会 済生会呉病院 内科
  • 國田 哲子
    社会福祉法人恩賜財団済生会支部広島県済生会 済生会呉病院 内科
  • 松浦 秀夫
    社会福祉法人恩賜財団済生会支部広島県済生会 済生会呉病院 内科
  • 安井 弥
    広島大学大学院 医系科学研究科 分子病理学
  • 高野 弘嗣
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター中国がんセンター 消化器内科
  • 河野 博孝
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター中国がんセンター 消化器内科
  • 倉岡 和矢
    独立行政法人国立病院機構呉医療センター中国がんセンター 病理診断科

書誌事項

タイトル別名
  • シンダン ニ クリョ シタ ジコ メンエキセイ カンエン ノ 1レイ

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抄録

症例は 60 歳,女性。アルコール多飲歴あり。約 1 ヵ月前から倦怠感,食思不振があった。入院 2 日前,発熱で近医を受診。肝障害,血小板減少などを認め当院に紹介入院となった。CT上は肺炎,肝腫大を認め,血液検査上は著明な炎症反応,肝腎障害,播種性血管内凝固(DIC)などを認めた。抗生剤治療,DIC治療などを行ったが,発熱,肝障害は遷延した。TP 9.9 mg/dl,IgG 5320mg/dl,ANA × 640 などの著明な高値と,サイ トメガロウイルス(CMV)抗体の陽性も認めた。アルコール性肝障害,CMV肝炎等も念頭に診療しつつ,自己免疫性肝炎(AIH)疑診として,ステロイドを開始。肝生検ではAIHの確診はできなかったが,肝障害は徐々に改善した。5 ヵ月後,ステロイド減量により肝障害が再燃し,再度の肝生検でAIHと確診できた。アルコールをはじめ肝障害を来しうる他の要因が除かれ,確診に至ったと考えられた。

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