症例報告 高齢者のPolypharmacyに起因した乳酸アシドーシスの1救命例

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  • 高齢者のPolypharmacyに起因した乳酸アシドーシスの 1 救命例
  • ショウレイ ホウコク コウレイシャ ノ Polypharmacy ニ キイン シタ ニュウサン アシドーシス ノ 1 キュウメイレイ

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82 歳男性。糖尿病・慢性腎不全等により近医で 7 種類の内服治療がされていた。搬送 4 日前より食思不振と嘔吐があり,意識障害が出現したため救急搬送された。GCS E3V3M5,血圧 121/49 mmHg,心拍数 70 bpm,呼吸数 24 回/分,SpO2 95 %,体温 32 度,pH 6.753,Lac 29 mmol/L,BE -30.0 mmol/L,BUN 51 mg/dl,Cre 3.09 mg/dl と乳酸アシドーシス,急性腎障害(AKI)を呈していた。全身CTでは非閉塞性腸管虚血(NOMI)も疑われたが,ブホルミン・テルミサルタンの服薬歴から薬剤性も鑑別した。集中治療とし,気管挿管,持続的濾過透析を開始すると乳酸値は速やかに低下し意識は回復した。NOMIの関与は経過から否定的であった。本病態は,経口摂取不良による脱水にアンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬の服用継続による続発性AKI発症と,さらにビグアナイド薬服用による薬剤関連乳酸アシドーシス発症と考察した。致死的合併症であったが救命し得た。高齢者の多剤服用においては体調不良時の休薬指導など綿密な内服管理が重要である。

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