3次元内部構造顕微鏡と画像処理を用いた、血管を構成する弾性板・内皮細胞核の3次元構造観察と網羅的解析

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抄録

<p>血管は血流により動的な圧力に適応するために、複雑な組織構造を有している。血管を構成する組織は、血管内皮細胞,平滑筋細胞に加えて、弾性板などの結合組織から構成され、これらの構造は、発生学的な部位特異的な構造に加えて、血管のおかれた環境に応じて動的にリモデリングしている。血管の力学的な特性は、これらの構造と関連することから、血圧や流速とその構造について検討することが必要である。血管の3次元構造の観察には、マイクロCTや共焦点レーザー顕微鏡を用いた方法が報告されているが、血管全周の大きな範囲に対して、マイクロメータ精度での3次元観察は実現されていない。そこで、観察対象を凍結包埋し、試料上端を切削除去して、その断面を観察することを自動的に繰り返す3次元内部構造顕微鏡を開発し、血管の詳細な3次元構造を解析した。観察対象の血管内皮細胞は、生細胞核染色液DRAQ5を用いて蛍光染色し、弾性板の局在は自家蛍光を利用して蛍光観察した。これらの試料を、2波長のレーザーを同時に照射し、共焦点レーザー顕微鏡を用いて得られた蛍光を2台のカメラで同時観察する顕微鏡を開発してその内部構造を撮影した。観察した画像はボリュームデータ解析ソフトVCAT5(Riken)を用いて、核と弾性板を領域抽出し、核の主方向と血管の向き、弾性板の走行を解析した。さらに、血管固定時の内圧、伸張長さによる構造の差異について比較した。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 134_1-134_1, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298820567197056
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.134_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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