血液チューブ振動の自動波形識別による透析治療中の脱血不良モニタリング手法の提案

DOI
  • 川村 勇樹
    医療法人たちばな会 西岡病院 透析室 近畿大学 生物理工学部 医用工学科
  • 桑原 健太
    医療法人たちばな会 西岡病院 透析室
  • 池田 拓洋
    医療法人たちばな会 西岡病院 透析室
  • 徳嶺 朝子
    近畿大学 生物理工学部 医用工学科
  • 西手 芳明
    近畿大学 生物理工学部 医用工学科
  • 山本 衛
    近畿大学 生物理工学部 医用工学科

抄録

<p> 血液透析治療において,血管内に留置した外筒と血管壁との接触等によって十分な脱血量を得られない場合がある.本研究では,血液回路チューブの振動や変形に着目し,脱血不良状態が血液回路チューブの振動および径の変化に及ぼす影響を明らかにし,新たな脱血不良検出法を提案することを目的とする. 血液回路とダイアライザを用い,これらを患者監視装置に接続し,透析治療中を模擬するように水道水を循環させた.また,血液ポンプ出口部における血液回路チューブの変形振動をレーザ変位計で測定した.本研究では,脱血不良を模擬するために脱血チューブの一部を鉗子で閉塞した状態において,血液ポンプの設定流量を300 mL/minとした時,血液ポンプ入口部に設置した超音波流量計における実測値が200及び100 mL/minを示す場合を,それぞれ脱血減少群及び脱血不良群とした.得られた波形データに対して,Neural Network Consoleを用いた教師あり学習による自動識別を行い,脱血不良度による波形の分類を試みた. 機械学習の結果,対象モデルを正確に見分けた確率(正解率)は0.86となり,高精度の分類ができた.また,脱血不良モデルでは,適合率と再現率がそれぞれ1.0および0.93となり,誤検知が少なく,1例を除いて脱血不良度を予測することができた.以上の結果より,波形の特徴を捉えることで脱血不良を判別する事ができると考えられる.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 170_1-170_1, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298820567225856
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.170_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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