画像処理による非観血式圧力推定法の開発

DOI
  • 田村 優大
    東京電機大学理工学部理工学科電子工学系
  • 住倉 博仁
    東京電機大学理工学部理工学科電子工学系
  • 太田 圭
    東京Dタワーホスピタル集中治療科 聖マリアンナ医科大学救急医学
  • 本間 章彦
    東京電機大学理工学部理工学科電子工学系

抄録

<p>体外循環回路では、脱血不良や長期使用による回路内血栓形成等の問題が挙げられる。これらの異常の検知には、回路内圧の測定が重要となる。測定方法として観血式圧力測定法が挙げられるが、回路枝が必要になるため血栓形成や空気吸引等の恐れがある。本研究では、回路に使用されるチューブが回路内圧の変化に伴い変形する点に着目し、画像処理を用いてチューブの変形から非観血的に回路内圧を推定する方法の開発を目的とした。実験は,小型カメラ(PPV405S,アサヒ電子研究所)、比較対象である光学式変位センサ(Z4D-F04A,オムロン)、人工心肺用チューブ(メラエクセラインS,泉工医科工業)を治具に固定し、小型カメラによる撮影と変位センサによる計測を、回路内圧0から450mmHgまで50mmHg毎に同時に行った。画像処理は、二値化処理とノイズ除去を行い、また、カメラの仕様、撮影範囲、および画像サイズより、1ピクセルのサイズを算出した。1ピクセルのサイズとチューブの最大変位点の座標より、チューブの変位を算出した。実験の結果、画像から得た変位、変位センサ出力値ともに回路内圧に対して線形の特性が得られ、画像から回路内圧を推定可能であると示唆された。しかし、変位センサと比較し、画像から得た変位の近似曲線の傾きに誤差が生じていたことから、回路内圧を推定する際の誤差につながると考えられた。今後、誤差を低減するためのカメラの固定方法や画像処理方法について検討を行う予定である。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 172_1-172_1, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390298820567230336
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.172_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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